第24回(大阪)大会のお知らせ

2023年10月02日

日本有機農業学会

第24回(大阪)大会 プログラム(案)V. 20231130

期 間:2023年12月 9日(土)~12 月10日(日)

会 場:摂南大学(枚方キャンパス)を会場とした対面+オンライン参加

<12月9日(土)>
10:00~10:15 開会セレモニー

10:15~12:15 特別セッション  『有機農業大全』 合評会
■趣旨:澤登早苗・小松崎将一編著『有機農業大全』(コモンズ、2019年)は、日本有機農業学会の設立20周年を記念して刊行された成果物で、分業関係に置かれやすい社会科学と自然科学の研究者が垣根を超えて一冊の本を編むという試みだった。しかし、本書は刊行直後に新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に伴う混乱などにより、その意義、可能性、課題点等を学会内で十分に検討する機会を失ったまま、2022年に至ってしまった。そこで、このたび、第24回の特別セッションとして本書の合評会を開催することにした。有機農業研究の到達点と課題、今後の展望等を見定めていくための議論が交わされることを期待したい。
・座長:相川陽一(長野大学)、飯塚里恵子(千葉農村地域文化研究所)
・報告者:中島紀一(茨城大学名誉教授)、高橋巌(日本大学)、日鷹一雅(愛媛大学)
・リプライ(討論者):澤登早苗(恵泉女学園大学)、小松崎将一(茨城大学)

12:15~13:15 昼食・休憩

13:15~16:30 全体セッション 検証・みどりの食料システム戦略
―社会科学、自然科学および実践の視点から―
■趣旨:2021年5月にみどりの食料システム戦略(みどり戦略)が策定された。みどり戦略は2050年までに農地の25%(100万ha)を有機農業に転換することを目標のひとつとしている。日本有機農業学会は、2021年3月にみどり戦略の中間とりまとめに対する提言書を発表した経緯がある。
その後、みどり戦略を積極的に推進する自治体が増加している反面、目標の実現可能性を疑問視する声も少なくない。さらに、AI(人工知能)、ゲノム編集、RNA農薬等の技術を持続可能と評価してよいのか、どのような農業(農業像)を誰が担うべきか、農業技術は誰がどのように開発普及すべきなのか等の問題が提起されている。本セッションではこうした問題意識に立ち、社会科学、自然科学、および実践の3つの視点からみどり戦略を検証する。みどり戦略を気候変動や生物多様性喪失、食料危機等に対する国際アジェンダの文脈から理解すると同時に、食料・農業・農村基本法見直しとの関連にも位置づけながら議論を展開したい。
■座長:成澤才彦(茨城大学)
■報告(報告タイトルは調整中)
谷口吉光(秋田県立大学)
古賀伸久(農研機構 九州沖縄農業研究センター・非会員)
立川雅司(名古屋大学・非会員)
西村いつき(兵庫県)
■コメンテーター
小松﨑将一(茨城大学)
澤登早苗(恵泉女学園大学)
総合討論

16:30~18:15 総会(終了後、学会賞授与式)

18:30~20:30 懇親会

<12月10日(日)>
9:30~13:00 ポスターセッション(コアタイム11:30~13:00)

○「自然栽培農家の成功事例の紹介と失敗事例に対する考察」
川副優花(AGBIOTECH(株))、草処基(AGBIOTECH(株))、田中治夫(東京農工大学院)
○「日本における有機農業のコンベンションナル化に関する考察」
彭思思(京都大学農学研究科)
○「有機農業実施者の熟達化プロセスに関する研究」
中川 祥治(農業・環境・健康研究所,放送大学)
○「除草回数と摘芯がソーラーシェアリング下での不耕起有機ダイズ栽培に与える影響」
井上 渉(茨城大学大学院)
○「不耕起草生栽培土壌における炭素と窒素の動態 ー福島大学桝沢試験地における観測ー」
金子信博(福島大学)、菅原真美(福島大学)、山田梨加(福島大学)
○「寒冷地における両正条疎植と直交機械除草を組み合わせた有機栽培水稲の生育」
今須宏美(農研機構東北農業研究センター)、 国立卓生(農研機構東北農業研究センター) 川名義明(農研機構東北農業研究センター)
○「有機農業実践圃場と慣行栽培圃場における土壌有機物の存在形態の比較 -分解耐性および腐植形態に着目して-」
坂上伸生(茨城大学)、桑田鮎人(茨城大学)、豊田百梨(茨城大学)、菊池絢都(茨城大学)、浅木直美(茨城大学)、小松崎将一(茨城大学)
○「耕起および不耕起での有機コムギ・ダイズ栽培の生産性」
Xu Daitianshu(徐 戴天舒)(茨城大学大学院)
○「不耕起有機ミニトマト栽培でのミミズと土壌団粒について」
新岡未帆(茨城大学大学院)

 

9:30~11:30 地域セッション 大阪都市圏における有機農業の現在地
■趣旨:大消費地である大阪府およびその近郊府県では、消費者や流通業者との密接なパートナーシップが有機農業の発展に大きな役割を果たしてきました。近年は新規参入者を中心に、少量多品目栽培・前払い制によるCSAの実践や、品目を絞り込み、高品質・高栄養の有機農産物を多様な販路へ供給する営農スタイル等、新たな形の有機農業が展開されています。本セッションでは3組の取り組み事例をもとに、大阪の有機農業や流通の現状を学び、今後の発展の方策を考えます。
■座長:谷口葉子(摂南大学)
■報告
「前払い制によるCSAの取組み、能勢エリアにおける有機農業の地域的拡がりについて」
成田洋平(成田ふぁーむ)
「都市近郊の里山で『有機農業』を実践する。地域事業者と連携する都市近郊有機農業者の創意工夫」
大島哲平(ひらかた独歩ふぁーむ)
「私たちのみどり戦略ー消費者・流通(生協)と農家の協同で有機農業を拡げるー」
辰巳千嘉子(コープ自然派事業連合)
■コメンテーター
大阪府農政室推進課 溝淵 直樹
京都府立大学 中村貴子
■後援:摂南大学農学部先端アグリ研究所
※地域セッションについては非会員も無料で参加できます。

 

11:30~13:00 昼食休憩(ポスターセッションのコアタイム)

13:00~15:00 個別発表

【社会人文科学系A会場】
13:00~13:20「無肥料栽培農家の農業アイデンティティ」
土屋憧真(京都大学大学院)
13:20~13:40「川口由一の「自然農」の広がりの意義と可能性ー技術と生き方の問い直しに着目してー」
外園信吾(特定非営利活動法人 有機農業推進協会)
13:40~14:00「日本において、なぜ不耕起栽培は保全農業を進める役割を果たせていないのか?」
渡邊芳倫(福島大学)、菅野孝志(福島大学)、佐藤希乃花(福島大学)、村上碧(福島大学)、矢頭陽菜(福島大学)、山島雫(福島大学)
14:00~14:20「EUにおける動物福祉に配慮した養鶏産業の現状分析」
植木美希(日本獣医生命科学大学)
14:20~14:40「JA主導型体験農園の効果と課題 ーJA北河内菜菜いろファーム天野が原農園を事例としてー」
中塚華奈(摂南大学農学部)、小林基(摂南大学国際学部)

【自然科学系A会場】
13:00~13:20「『上農は草を見ずして草を取る』は本当か? ー多回中耕除草がイネの生育・収量に及ぼす効果の解明ー」
小林佳大(静岡大学)
13:20~13:40「イタドリの表層施用が夏作作物および地表徘徊性生物に及ぼす影響」
豊田雄大(静岡大学)
13:40~14:00「The potential of a novel weed management robot that press on the weed」
Kunwar Ishwor Jung(静岡大学)
14:00~14:20「Effects of different weeding methods on the diversity of ground-dwelling organisms in organic tea garden」
Gorachad Goshami(静岡大学)
14:20~14:40「不耕起栽培と耕起栽培、植物マルチの有無がビール大麦の生育に及ぼす影響」
鈴木將之(福島大学), 渡邊芳倫(福島大学), 金子信博(福島大学)
14:40~15:00「環境保全型農業と慣行農業によるナシ園地の土壌環境と果実品質」
甲斐貴光(明治大学黒川農場)

【自然科学系B会場】
13:00~13:20「有機ブドウの栽培技術と品種比較について」
王嘉憶(茨城大学大学院)
13:20~13:40「カバークロップと微生物資材を利用した有機水稲栽培における水田土壌環境と水稲収量との関係性」
加来嵩時(茨城大学大学院)
13:40~14:00「畑土壌に存在する腐生性のMortierella属菌がトマトの生育およびリン酸吸収に与える影響」
及川慶太(茨城大学大学院)
14:00~14:20「ゴボウの土壌病害には種子由来の菌類が影響する! ーエンドファイトでの防除の取り組みー」
佐藤佑飛(茨城大学大学院)
14:20~14:40「トマトの不耕起有機栽培におけるネコブセンチュウの動態」
染谷 海(茨城大学大学院)
14:40~15:00「農作物への重金属の蓄積をエンドファイトは抑制できるのか?」
穗積由樹(茨城大学大学院)

15:00~15:30 休憩

15:30
~17:30 特別セッション 未来を切り拓くアグロエコロジー:持続可能な食農システムへの挑戦
■趣旨: 食農システムは、生産、流通、貿易、消費、管理、政策など多くの分野に関わり、生態系や生命、物質循環などに深い影響を与えています。現在の世界のフードシステムは、人々に食料を提供する点では成功していますが、環境に対する負担が大きく、持続可能性に対する脅威となっています。持続可能なフードシステムに移行するためには、生態系に調和した農業と農法を基にしたアグロエコロジーが注目されています。アグロエコロジーは、原則と理念に基づいた実践を通じて、既存のフードシステムを改善し、持続可能性を追求することで現実的な解決策に繋げる取り組みです。この秋、日本でのアグロエコロジーの理解を深めるために、「アグロエコロジー 持続可能なフードシステムの生態学」の翻訳版が出版されました。このセッションでは、翻訳者の方々に、日本におけるアグロエコロジーの展望や期待について話していただきます。さらに、日本でのアグロエコロジーの実践についても紹介し、持続可能なフードシステムとしての有機農業についての理解を深めていきます。
■監訳者からの報告
村本穰司(カリフォルニア大学サンタクルーズ校)
日鷹一雅(愛媛大学)
宮浦理恵(東京農業大学)
■日本での実践
金子信博(福島大学)
澤登早苗(恵泉女学園大学)
■翻訳グループ及び出版社からのコメント
■総合討論

 

大会への参加登録を開始しています。Peatix(ピーティックス)による参加申込フォームへの入力と参加費の事前納入をもって参加登録とします。

第24回(大阪)大会の参加申し込み(12月3日17:00まで)
下記のPeatix(ピーティックス)による申し込みと参加費の事前納入をもって参加登録とします。参加申込の登録期限は 12月 3日(日)17:00ですが、お早めのお手続きをお願いいたします。

・参加申込はこちらから↓
https://24thannualconference.peatix.com