NEW!日本有機農業学会メールマガジン第063号(2025年5月22日)

日本有機農業学会メールマガジン第063号(2025年5月22日)

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□■□         日本有機農業学会メールマガジン        □■□

第063号  2025/5/22

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❏ 電子ジャーナル化に関するアンケートのお願い(再告)
❏ 日本有機農業学会 公開研究会 有機農産物の安全性と化学性・機能性成分
~海外の研究動向と最新の科学を学ぶ~
❏ ‟有機農業”の窓: 【茨城大学グリーンバイオテクノロジー研究センター】
キックオフシンポジウム グリーンバイオで世界と共創する農業のイノベーション
※「‟有機農業”の窓」は学会事務局に送られてきた広報依頼について、

会員の皆様にとって有益と判断した情報を掲載しております。
※「新刊書のご案内」は学会事務局に送られてきた会員の新刊書等を掲載しております。

随時、掲載依頼を受け付けておりますので、著者ご自身で紹介文をお送り下さい。
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有機農業研究誌の電子ジャーナル化に関するアンケートのお願い

有機農業学会理事会
提案内容

現在、郵送でお届けしている紙媒体の学会誌を廃止し、オンラインジャーナル化を検討しています。
これにより、会員の皆様は学会誌をオンラインでダウンロードし、全文情報にアクセスできるようになります。
また、掲載論文は従来通り J-STAGE で公開し、会員以外にも研究成果を広く発信していきます。

提案の背景

第13期理事会では、学会活動の充実と理事の業務負担軽減を目的として、学会事務の一部を外部委託する方針を決定しました。これにより、理事の皆様が研究に専念できる環境を整え、有機農業研究のさらなる活性化を目指しています。その一方で、学会運営の効率化も求められており、学会誌の電子ジャーナル化は、会員の皆様にとってより手軽に学会誌を活用できる環境を提供すると同時に、経費削減にも寄与するものと考えています。しかし、製本された学会誌を希望される会員の方もいらっしゃるかと思います。

そこで、本学会誌の電子ジャーナル化に関して、会員の皆様のご意見をお伺いするため、アンケートを実施することといたしました。ぜひ、ご協力をお願いいたします。

アンケート調査について

調査期間:2025年3月15日~5月31日
調査方法:無記名回答
調査内容:「有機農業研究」の電子ジャーナル化に関するご意見
(電子ジャーナルダウンロード可能、冊子希望、その他の中から選んでください)

以下のフォームからご回答お願いいたします。
https://forms.gle/ds3jp16kwn55SUcR9
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 日本有機農業学会 公開研究会 
有機農産物の安全性と化学性・機能性成分 ~海外の研究動向と最新の科学を学ぶ~

有機農業には、消費者へ安全で健康的な食べ物を提供するという役割が期待されています。ところが近年、日本では有機農業の推進理由として環境保全機能のみが強調される傾向にあり、安全面や健康効果における有機農産物の優位性について科学的に検証しようとする試みが減ってきています。そのような中、有機農産物の安全性や健康効果をめぐっては科学的根拠を欠く肯定的意見から極端に懐疑的な見方まで様々な言説が飛び交っている状況です。

一方、海外では先進諸国を中心に2000年以降、有機農産物の安全性や栄養化学、機能性成分、健康効果について科学的に、客観的に評価・解明しようという大型研究プロジェクトが推進されてきました。その結果、2009年にはEU公式文書で「有機食品は高い品質と安全性を有する」と明記されるに至り、2010年前後の時期から科学的に高い信頼性を持つと思われる研究が多数報告されてきています。

日本の有機農業はとりわけ安全・安心な農産物の提供を主たる社会的使命として発展してきました。その歴史的経緯を踏まえると、日本においても有機農産物の安全性や化学性、機能性成分等に関する科学的知見を収集・整理し、日本の生産者や消費者に分かりやすく情報提供していくことには大きな意義があるといえます。

そこで日本有機農業学会では2024年7月より有機食品の安全性や化学性、機能性成分等に関する海外の研究成果の情報の収集・整理を兼ねた勉強会を開催してきました。この度、当該勉強会で得られた知見を広く一般の方々と共有するべく、公開研究会を企画しました。

同時に、有機農産物の評価において重要な役割を持つと思われる食品分析・食品化学の分野で活躍されている研究者を招いて、当該分野の日本国内の研究についての知見も紹介して頂く予定です。有機農業に限らず、農産物の化学成分や機能性成分、健康科学的価値、食品化学等に関心のある幅広い層の方々のご参加をお待ちしております。

 

開催日時:8月5日(火)13:00~15:40(オンライン開催)
主催:日本有機農業学会
参加費:無料
対象:研究者・学生・一般(非会員の方も参加できます)

※12月5~7日に開催する第26回日本有機農業学会大会においても関連テーマでのセッションを開催する予定です。

定員:95名(先着順)

参加申込み:次のリンクより必要事項をご記入の上、お申込みください。https://peatix.com/event/4415757

<プログラム>

農産物に含まれる化学成分の多様性は食品としての品質を決定する重要な因子です。特に農作物(植物)の代謝物はバリエーションが多く、さらに栽培環境の影響を受けて多彩に変化することから分析化学の分野においても重要なトピックスです。本会では、2演題(第一報告:NMR/MRI、第二報告:CE-MS/LC-MS)にわたって、高度機器分析による農産物・食品成分の分析例と各手法の特徴、および最新動向などを紹介します。

*13:00~ 開会あいさつ
*第一報告(13:10~):国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 高度分析研究センター

上級研究員 関山恭代

演題:高度機器分析の農業研究への展開と有機農産物分析の可能性(1)

内容:第一報告では、農研機構の関山恭代氏により、核磁気共鳴(NMR)法による農産物成分の一斉分析(メタボロミクス)や磁気共鳴画像法(MRI)による農産物・食品の分析について紹介いただきます。NMRメタボロミクスでは、農産物や食品の化学成分を分離せずに混合物の状態で分析することができます。含まれる成分の種類や量のバランスは指紋の様にそれぞれのサンプルの個性となります。MRIでは水や油の分布や動きを可視化することができ、やはり環境や貯蔵条件、加工条件を反映したサンプルの個性となります。本会ではこれらの分析事例を紹介するとともに、農業試料を分析する際に配慮すべきことなどを考えることで、今後に向けた議論の呼び水になればと思います。

*第二報告(13:40~):京都大学農学研究科 教授 及川 彰
演題:高度機器分析の農業研究への展開と有機農産物分析の可能性(2)
高度機器分析の農業研究への展開と有機農産物分析の可能性(1)

内容:及川彰氏は、生体内に含まれる全ての代謝物を網羅的に解析するメタボロミクスを農産物や食品の分析に展開してきました。これらの質量分析法は、現在行われている機器分析の中で最も高感度・高分解能な手法であり、先端技術の最新動向をご紹介いただきます。また、高感度であるがゆえに、サンプル間の僅かな変化を検出できる一方で、結果の解釈には注意が必要あり、試験設計や何を比較するのかが非常に重要となります。分析例とともに、及川氏が多くの農業試料を扱ってきたご経験から感じた課題も共有し、第一報告と合わせて、今後に向けた関係者間での議論のヒントになることを期待します。

*休憩(14:30~14:40)

*第三報告(14:40~):国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター

上級研究員 池田成志
演題:有機農産物の機能性成分等に係る海外の研究情勢

内容:海外では、有機農産物の化学性や機能性成分について科学的に解明しようという試みが進んできており、近年は信頼性の高い研究が数多く発表されてきています。安全・安心な農産物(食品)の提供をその主たる社会的使命として発展してきたという日本の有機農業の経緯を踏まえても、有機農産物の安全性や化学性に関する科学的知識を更新していくことには大きな意義があるといえます。そこで、有機農産物の安全性や化学性、機能性成分等に関する海外の研究成果について文献調査を進めてきた池田成志氏より、それらの情報を一般の方々に向けて紹介いただきます。

*質疑応答(15:10~)

*総括・閉会挨拶(15:30~)

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 ‟有機農業”の窓:茨城大学グリーンバイオテクノロジー研究センター 

キックオフシンポジウム グリーンバイオで世界と共創する農業のイノベーション

▼詳細は下記URLから
https://events.admb.ibaraki.ac.jp/uploads/2025/05/7551443f926878eeca53c0bcf5efdbf1d3dbf5b2.pdf

2025年4月、茨城大学は阿見キャンパスを拠点として、グリーンバイオテクノロジー研究センター(Gtech:Green-Bio Technology Research Center)を開設しました。

Gtech(ジーテック)では、保全農業をはじめとする持続可能な農法と微生物の遺伝子解析を通じて、土壌微生物の生態系に直接的・間接的に働きかけることで、持続可能な農業の実現、気候変動への対応、そして環境保全に貢献する取り組みを推進しています。

本シンポジウムでは、こうした取り組みの最前線について、国内における第一人者の研究者をお招きし、持続可能な農業の構築と気候変動対策に関する最新の研究成果を共有するとともに、今後の展望について議論を深めてまいります。

多くの方々のご参加を心よりお待ちしております。

日時    2025年6月27日(金)13:10 ~ 15:45
会場    茨城大学阿見キャンパス フードイノベーション棟/オンライン
参加料   無料
主催    茨城大学グリーンバイオテクノロジー研究センター
対象    どなたでも
使用言語 日本語

以下よりお申込みをお願いします。
<対面> https://forms.office.com/r/AHWBEcp3s5
<オンライン> https://events.teams.microsoft.com/event/a9dc7db6-93e6-4f71-abda-d7ecbb3fc1f3@1eb20313-c289-413b-8ab9-146f41fff73b/registration

お問い合わせ:茨城大学 研究・社会連携部 研究推進課TEL: 029-228-8417

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❖発 行:日本有機農業学会
❖事務局:SOUBUN.COM ソウブン・ドットコム内
〒116-0011 東京都荒川区西尾久7-12-16
E-mail:yuki_gakkai [アットマーク] soubun.org
❖編集・送信:林薫平(事務局長)・渡邊芳倫(理事)

メールアドレス・住所・所属など個人情報の変更、メールマガジンへの情報掲載のご依頼(毎月10日締切)、その他お問い合わせは、上記までメールでご連絡ください。

❖年会費の振込先:郵便振替口座/00930-5-155607 加入者名/日本有機農業学会