無事終了*第22回 日本有機農業学会大会・総会(2021.12.4/5)

2021年12月05日

1.期  間

2021年12月4日(土)〜12 月5日(日)

 

2.開催校

茨城大学

 

3.内  容

3.1 第22回大会は、大会特設ウェブサイトおよびZoom 会議室を利用したリアルタイムのライブ配信方式で開催します。前回のような報告の事前録画・事前視聴は行わず、報告と質疑・討論はすべて大会期間中に行います。またポスター発表については、オンライン方式では個別口頭報告との区別が難しいことから、ポスター発表は行わないことにしました。

3.2 参加登録をした人だけが、大会特設ウェブサイトにログインでき、Zoomによる各会場(ミーティング)に出入り自由で参加できるとともに、報告資料などにアクセスすることができる形にいたします。ログイン時に共通のパスワード入力を求めることにします。

3.3 本大会の参加費は、会員・非会員ともすべてPeatixを利用した事前納入とし、参加費納入確認をもって参加登録とします。参加費および事前納入・参加登録方法は以下の通りです。

3.4 今大会では発表要旨集は印刷せず、PDFファイルで配布します。

 

4.大会までのスケジュール

• 発表申込(報告タイトル、氏名、所属)期限  10月31日(日)

受け付け終了しました。
報告タイトル、氏名、所属をご記入の上、事務局までメールをお送りください。

• 発表要旨の提出期限  11月15 日(月)

受け付け終了しました。
要旨の書式は、こちらよりダウンロードし、事務局までメールをお送りください。

• 参加申込の登録期限  12月3日(金)23:55

Peatixにより現在受付中です。
申込はこちらからお願いします。

 

5.大会のプログラム

《開催趣旨》

いま、有機農業学会の真価が問われている!

2021年の第 22 回大会は茨城大学を開催校として、昨年に引き続きオンラインで開催します。本文を執筆時点(10月中旬)では、コロナウイルスの感染拡大の第5波が収束傾向ですが、第6波の阻止へ向けた対応が引き続き求められています。
今年5月に農水省が発表した「みどりの食料システム戦略」は、農林水産業のゼロエミッション化、化学農薬のリスク換算50%削減、化学肥料30%削減、有機農業の栽培面積を全体の25%(100万ha)へ拡大などを掲げています。この施策には、いままで有機農業に取り組んできた農家や団体、研究者を中心に大きな議論を巻き起こしています。この戦略を単なる絵空事にすることではなく、農業の環境への負荷を下げようという国際的な動きと連動しながら、しっかりとした地域農業を持続させていくために、いまある農業の転換を促す取り組みへとつなげていく必要性があります。ここでは、有機農業のもつ持続可能性について科学的に検討してきた有機農業学会の活躍がますます期待されています。
今大会では、オンライン開催ではありますが、茨城の有機農家の方の取り組みや県行政の取り組みなど紹介させていただき、また、学会員の皆さまから日頃の研究成果のご報告をいただき、地域におけるよりよい食と農のシステムづくりについて、有機農業学会の皆様と議論し、経験を共有させていただければ幸いです。コロナ禍のなかで生み出されつつある新しい動きの中で、有機農業のもつ魅力や役割が大きく飛躍するために今必要なことを一緒に考えていきたいと思います。

日本有機農業学会 第 22回大会実行委員会
委員長 小松﨑将一

《プログラム》

12月4日(土)

時刻事項


13:00開会


13:00~13:30開会セレモニー(会長挨拶、開催校挨拶、大会の進め方の説明)


13:30~15:30

全体セッションI 農医連携と有機農業(2時間)

【趣旨】

「農医連携」を現代的な背景でとらえた場合、過去には、代替医療と代替農業、重金属、生活習慣病と機能性食品、食品の安全性、動植物によるセラピー、腸内環境、伝染性疾病、地球温暖化などがテーマとして取り上げられてきました。本セッションでは、人間が生きていく糧を得るための必要な農業、その中でも、化学合成資材への依存度を積極的に減らして行われる有機農業・自然農法の営みやその農産物が人間の健康や人間を取り巻く環境といかに関わっているのか、さらに今後どのような関わりをもっていくべきなのか、という点から「農医連携」を考えます。

【進行】

(1) 趣旨説明    座長:加藤孝太郎(公益財団法人 農業・環境・健康研究所)

(2) 話題提供

①「農医連携の哲学―医学哲学・農学原論からの自然農法の再考―」

杉岡良彦(信貴山病院グループ 上野病院)

②「農医連携とアレルギー疾患」

西村鉄也(横浜栄共済病院)

③「窒素循環から見た健康な食と有機農業の密接な関係」

江口定夫(農研機構 農業環境研究部門)

④「有機・自然農法の農産物や家庭菜園を導入した認知症ケアの事例紹介」

工藤美弥(有限会社トゥインクル・ライフ)

(3) 総合討論


15:30~16:00休憩


16:00~18:00

全体セッションII 生物多様性保全と有機農業(2時間)

【趣旨】

生物多様性の喪失や気候変動が深刻化し、SDGsや環境を重視した国内外の動きが加速しています。こうした状況の中で、有機農業がもたらす生物多様性保全や地球温暖化防止等への効果が注目されている。2021年5月には、耕地面積に占める有機農業の面積を25%に拡大することを盛り込んだ「みどりの食料システム戦略」が策定された。
本セッションでは、どのようにして生産者や消費者の理解を得ながら有機農業をはじめとした生物多様性に配慮した農業を広めたらよいのか考える。このような農業を拡大するために重要となる、推進に向けた仕組みづくり、有機農業と生物多様性の関係についてのエビデンス、生産現場での取り組み、「ナッジ」による有機農産物の消費拡大についての報告をもとに検討する。

【プログラム】

(1)趣旨説明      座長:尾島一史(農研機構 西日本農業研究センター)、

西村いつき(兵庫県農政環境部)

(2)話題提供

①「生物多様性に配慮した農業の推進に向けた仕組みづくり」(仮)

大久保悟(農研機構 農業環境研究部門)

②「エビデンスから考える有機農業と生物多様性の関係」(仮)

片山直樹(農研機構 農業環境研究部門)

③「生きものを育む農業を目指して~宮城県・大崎耕土の取り組み~」(仮)

舩橋玲二(NPO法人田んぼ)

④「『ナッジ』と有機農産物の購買行動」(仮)

佐々木宏樹(農林水産省農林水産政策研究所)

(3) 総合討論


18:30~20:00バーチャル懇親会(Ovice)


 

12月5日(日)

時刻事項


9:00~10:20
(2部制、午前は4会場を設置)

個別発表Ⅰ


【社会科学系A会場】
座長:高橋巌(日本大学)

9:00~ 9:20   「『みどりの食料システム戦略』への期待と不安:

「針道九区」と「後東若連」を視座として」

秡川信弘(東北文化学園大学)

9:20~ 9:40   「無意識・意識の世界と自然」

本城昇(埼玉大学)・小野雄希(大阪大学大学院)・中里和浩(埼玉大学)

9:40~10:00   「祭り・民舞と地域の文化の自給」

本城昇(埼玉大学)・尾形友聡(埼玉大学)・棚原梓(埼玉大学)・中里和浩(埼玉大学)


【社会科学系B会場】
座長:中塚華奈(摂南大学)

9:00~ 9:20   「種苗業界に併存する還元論的・全体論的育種アプローチ」

河合史子(総合地球環境学研究所)・西川芳昭(龍谷大学)

9:20~ 9:40   「有機種苗の育種・普及とその資金調達

:ドイツにおける取り組みを参考に」

林公則(明治学院大学)

座長:谷口葉子(摂南大学)

9:40~10:00   「有機・アニマルウェルフェア認証・表示における商標化」

大木茂(麻布大学)

10:00~10:20「新型コロナ後の日米欧の持続可能な農業をめぐる課題」

松平尚也(京都大学大学院)


【自然科学系A会場】
座長:嶺田拓也(農研機構農村工学研究部門)

9:00~ 9:20   「ドローンによる有機水稲のモニタリング」

武藤光輝(茨城大学)

9:20~ 9:40   「栽培条件の異なる米の物理特性の検討」

籠橋有紀子(島根県立大学)

9:40~10:00   「山形県置賜地域と庄内地域における水田畦畔管理の実態と農業者の意識」

大場伸一(大場技術士事務所)・本林隆(東京農工大学農学部フィールドサイエンスセンター)


【自然科学系B会場】
座長:今須宏美(農研機構東北農業研究センター)

9:00~9:20    「有機水稲作における発酵産物の施用効果」

岩石真嗣(自然農法国際研究開発センター)・榊原健太朗(自然農法国際研究開発センター)

9:20~9:40「有機水稲栽培における液肥の効果について」

高嶋尚哉(茨城大学大学院)


10:30~12:00

地域セッション 農業大国いばらきの有機農業拡大・振興への挑戦(1時間30分)

【趣旨】

全国第3位の農業生産額をほこる茨城においては、多様な有機農業生産者の取り組みがあるが、現状では県内農地の0.6%にとどまっている。本地域セッションでは、「みどりの食料システム戦略」の政策が進みつつある中で、茨城県における有機農業のよりよい推進・拡大に向けていま、何が必要なのか議論を深めたい。

【プログラム】

(1)趣旨説明      座長:小松﨑将一(茨城大学)

(2)話題提供

①「茨城県の有機農業の推進の取り組み」

大朏徹(茨城県農林水産部)

②地域の有機農業の取り組み:

「有機農業を核とした農業経営について」

伏田直弘((株)ふしちゃん)

「年間50品目以上を安定供給する有機農業経営」

大和田忠((株)レインボーフューチャー)

「自然と共にある持続可能な農業を目指して」

山田晃太郎(やまだ農園)

 (3) 総合討論


12:00~13:00昼食休憩


13:00~14:30
(2部制、午後は3会場を設置)

個別報告Ⅱ


【社会科学系A会場】
座長:飯塚里恵子(千葉農村地域文化研究所)

13:00~ 13:20 「自然共生型農生態系農業の展開と課題

:農園に対するアンケート調査から」

董亜坤(名古屋大学大学院)・高野雅夫(名古屋大学大学院)

13:20~ 13:40  「宮崎県綾町における近年の有機農業を取り巻く動き

:個と共同性の観点から 」

生駒忠大(京都大学大学院)

13:40~14:00  「有機不耕起草生栽培の普及に向けた参加型実習農場の運営

:あだたら食農Schoolfarmの実践」

金子信博(福島大学)・根本敬(ゆいまーる)


【社会科学系B会場】
座長:伊藤亮司(新潟大学)

13:00~ 13:20  「COVID-19危機がもたらした生鮮野菜の家庭内需要の

増加と産消提携による野菜供給量の比較」

佐藤忠恭(都市食農研究所)

13:20~ 13:40  「食と環境の提携運動への参加動機と消費者倫理

:日本とオランダの消費者4団体のインタビューデータから」

根本志保子(日本大学)

13:40~14:00  「岡田米雄の疎外論と消費者自給農場

:産消提携事業モデルの環境経済思想」

根本志保子(日本大学)


【自然科学系A会場】
座長:甲斐貴光(明治大学)

13:00~ 13:20 「カバークロップを利用した有機水稲栽培における微生物資材の効果」

加来嵩時(茨城大学)・塚越雄大(茨城大学)・髙嶋尚哉(茨城大学)・武藤光輝(茨城大学)・浅木直美(茨城大学)・伊沢剛(前川総合研究所)・小松崎将一(茨城大学)

13:20~ 13:40 「Dark Septate Endophytesのイネ生育への影響について」

関根直人(茨城大学大学院)・成澤才彦(茨城大学大学院)

13:40~14:00 「コムギ種子共生糸状菌類の多様性に対する農法(慣行・有機)の影響評価

:十勝地域の事例研究として」

池田成志(農研機構 北海道農研)・長澤幸一(農研機構 北海道農研)

座長:坂上伸生(茨城大学)

14:00~14:20「砂丘地の有機サツマイモ栽培において

追肥時期の違いが収量と外観品質に及ぼす影響」

沖津和明(新潟食糧農業大学)・伊藤崇浩(新潟食料農業大学)

14:20~14:40「自然農業、有機農業、ハイブリッド農業、慣行農業で栽培された

リンゴ畑の土壌環境について」

甲斐貴光(明治大学)・久保幹(立命館大学)


14:45 ~16:00総会(Zoomを使ったライブ方式)


16:00


閉会(閉会挨拶)


 

以上